人と人をつなぐ「たすき」となり
人事労務管理全般をサポートします
にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和2年10月号(No.11)
【趣味のランニングをしながら感じたこと】
9月の残暑からようやく気温が下がり始め、だいぶ過ごしやすい季節がやってきました。同時に1日の寒暖差が激しい季節でもあり、体調を崩しやすいリスクがありますので、服装等を工夫しながら温度管理に注意していただければと感じます。
私は事務所だよりの名称に「たすき」という言葉をいれるぐらい走ることを趣味にしています。息子も学校の駅伝部や週1日のランニング教室に通っていることもあり、親子で楽しく切磋琢磨させていただいています。今年はコロナウイルス感染症や猛暑・酷暑の影響もあり、ランニングにも影響がありました。春前に参加予定であったランニング大会が中止になったり、走る時にマスクをしなければならないのか?間隔をあけて走らないといけないのか?など趣味のランニングに対しても常に予防対策を頭に置かなければならない状況が続いています。
日頃の生活においても予防の意識がいつも以上に高いこともあり、幸いにも風邪で体調を崩すことが全くと言っていいほどなく、おかげさまで病院に行くこともほとんどない状態が続いています。
社会保険診療報酬支払基金の統計月報によると、直近の令和2年6月分の診療報酬は前年同月比(件数86.4%、金額96.1%)令和2年5月分では前年同月比(件数75.8%、金額87.6%)と大幅な減少となっており、コロナウイルス感染を恐れて病院に行かないだけではなく、衛生面の向上により他感染症罹患(りかん)の減少も含め、様々な要因が重なっているのかもしれません。病院の経営からすれば非常に厳しい反面、医療費が削減されることは一時的かもしれませんが、健康保険料率の上昇に歯止めがかかる可能性も考えられます。私は社会保険労務士事務所を開業する前に健康保険組合で勤務していましたが、健康保険組合が支出しなければならない主要なものとして、毎月変動する医療費のほか、出産育児一時金や傷病手当金、年度始まりの前に決定する各種納付金も非常に大きな負担割合となっていました。保険料率はそのような負担を補うだけの保険料収入を確保する必要があり、今後の保険料率が上がるか下がるかは被保険者や被扶養者全ての医療費、そして高齢者の医療費から算出される前期高齢者納付金や後期高齢者支援金の上昇を抑えることと非常に関連性があります。ただし経験上言えるのは、単に病院に行くなというのではなく、日頃からの健康管理、特定健診や人間ドックなどの疾病予防が重要であり、私が趣味とするランニングも少なからず健康管理・重症化予防の一因になっているのではないかと感じます。
【10月より最低賃金が改定されます】
和歌山県の最低賃金は令和2年10月1日から時間額が831円に変更されます。(日給の方については1日の所定労働時間が8時間の場合831円×8時間=6,648円以上)
最低賃金とは、最低賃金法に基づいて都道府
県ごとに決定されたもので、 雇用形態や呼称、
国籍に係らず、すべての労働者が対象となりま
す。たとえ労働者の同意があったとしても、使
用者は、この最低賃金より低い賃金で労働者を
使用することはできません 。
最低賃金を下回る賃金額で契約した場合は
最低賃金額で契約したものとみなされます 。
では仕事に対しての賃金はどのような基準で決定すれば良いのか?そしてどのような賃金を求人情報に掲載すればより多くの人材が集まるのか?
まず賃金の決定については、働き方改革関連法の同一労働同一賃金の観点から単なる雇用形態の違いだけを理由に同じ仕事内容、同じ責任度合にも関わらず、正社員だから、アルバイトだからなどを理由に賃金に差をつけることは今後避けなければいけません。そして差をつけるならば、その理由を客観的に示せるようにしなければなりません。事業所の基準で明確な賃金決定をするためにも、就業規則や賃金規定の現状確認、そして新たな整備や見直し等が 必要となるかしれません。
そして求人情報を掲載する場合の賃金については、最低賃金なら応募は来ない。高収入なら応募がたくさん来るとは限りません。なぜなら最低賃金であっても、賃金に相当する仕事内容を明確に伝えていること。賃金ばかりが重要ではなく、やる気や楽しさが伝わる職場であるキャッチコピーが掲載されれば応募者がたくさん来る可能性があります。一方で高収入であっても曖昧な仕事内容を掲載したり、賃金が高額であるにも関わらず誰でもできる、超簡単などのキャッチコピーが掲載されていれば先入観や警戒心から応募者が全く来ない可能性もあります。求人募集の際、求職者に賃金の価値がより直感的に伝わるよう詳細な仕事内容や勤務時間、休日、福利厚生などの掲載と誇張しすぎないキャッチコピーなどの掲載バランスがより多くの応募者、そして有望な人材の獲得につながるのかもしれません。少し前なら仕事がきつい、休みが少ない、拘束時間が長くても高収入であれば人材が集まった時代があったかもしれませんが、労働力人口不足の現在では柔軟な働き方を認めてくれる、残業時間が少ない、休みがしっかり取れる、それならば高収入は求めない、賃金は安くても構わないという考え方も求職者にはあるかもしれません。
~最後までお読みいただきありがとうございました~